HISTORY
From the founding of Kanazawa College of Art to the establishment of the Shared Studio, and into the present day—
the spirit and skills of craft have continued to evolve through constant challenges.
This journey is the origin of KANABI KOGEI+, and the story we carry into the future.
金沢美術工芸大学の誕生から共通工房の設立、そして現代へ。
工芸の精神と技術は、時代ごとの挑戦を重ねながら進化してきました。
その歩みは、KANABI KOGEI+が未来へとつなぐ物語の原点です。
- 1946
Establishment of Kanazawa Fine Arts and Crafts School
「金沢美術工芸専門学校」設立。
- 1955
Upgraded to Kanazawa College of Art
金沢美術工芸大学に昇格
- 2000s
Introduction of digital equipment at Kanazawa College of Art, initiating efforts to bridge traditional crafts with new technologies
金沢美大内でデジタル機材の導入が進み、伝統工芸と新技術をつなぐ試みが始まる
- 2020s
Expansion of collaborative projects with local communities and industries
地域や企業との連携プロジェクトが活発化
- 2023.10
Opening of the Shared Studio, serving as a hub for craft production within the university
新キャンパス移転に伴い、「共通工房=KANABI Studio」を設立
- 2025
Launch of the KANABI KOGEI+ initiative
KANABI KOGEI+始動
MISSION

KANABI KOGEI+ began as a bold initiative within the Shared Studio of Kanazawa College of Art.
We see craft not as a relic of the past, but as a living force that creates the future.
Across lacquer, ceramics, textiles, metal, and more, fifteen artist–specialists collaborate to deliver singular beauty to global luxury markets.
By intersecting tradition and innovation, merging local resources with international sensibilities, we weave new value.
This is the story of KOGEI+—and the essence of our business.
KANABI KOGEI+は、金沢美術工芸大学の共通工房から始まった挑戦です。
私たちは、工芸を「過去の遺産」ではなく「未来を創る力」として捉えています。
漆、陶磁、染織、金属――15分野のアーティスト/技術専門員が協働し、唯一無二の美を世界の富裕層市場へ届けます。
伝統と革新を交差させ、地域資源と国際感覚を結び、新しい価値を紡ぎ出す。
それが、KOGEI+の物語であり、私たちのビジネスの核です。
INTERVIEW
2025年4月から本格始動した、KANABI KOGEI+。
プロジェクトの成り立ちやこれまでの歩みについて、物語の舞台である共通工房の工房長、そして2名の技術専門員の声をお届けします。
(聞き手・文:中條 ふみ)
KANABI KOGEI+の成り立ち

桑村佐和子(工房長、以下 桑村):
KANABI KOGEI+を語るうえで欠かせないのが、2023年のキャンパス移転時に新設された「共通工房」です。
専門性ごとに分けられた4つのエリア、67のスタジオで学生たちの「つくりたい」「挑戦したい」をサポートしているのが若き作家でもある15人の技術専門員。
専攻の壁を越えて学生たちが自由に行き交う共通工房は、新キャンパスの要の一つです。
今西泰赳(技術専門員、以下 今西):
せっかく専門分野の異なる15人が集まるのだから、横断的なコラボレーションがしたい――。
技術専門員の一人として、恵まれた環境を活かしたことがやりたいと移転時から思っていました。
そんな構想を温めているときTeSH(※1)のGAPファンドプログラム(※2)を知り、せっかくだから挑戦してみようと他の14人の専門員と話をして応募したプロジェクトがKANABI KOGEI+です。
桑村:
数多くの理系プロジェクトに混ざってKANABI KOGEI+がGAPファンドプログラム採択されたことは、とても喜ばしいことでした。
大学発スタートアップの創出は、本学初の試みです。大学としても15人の技術専門員が進めるプロジェクトを応援していますし、私も工房長として日々見守っています。

今西:
2025年4月の採択以降、構想が少しずつ形になってきました。
海外富裕層向けの需要をリサーチしたり、さまざまな組み合わせで作品を試作したりしながら、現在は起業に向けた準備を進めています。
※1 Tech Startup HOKURIKU、北陸地域の大学・高専発スタートアップ創出プラットフォーム
※2 大学の基礎研究成果と事業化の間のギャップ(空白)を埋めるための資金や支援を提供するプログラム
Made Possible by the Shared Studio
共通工房があるから、実現できる
今西:
僕は焼き物の作家なので、基本的には焼き物しかつくれません。
でも、部屋を出れば、彫金や漆、木材加工、映像などの専門家が15人もいます。
以前は外注していた作品展示用の金具や台を、材料費を払ってオーダーメイドでつくってもらったこともありました。依頼する側は「こんなこともできるのか」と驚き、依頼される側には「そんな需要もあるのか」と新たな気づきを得る。
共通工房があるからこそ、たくさんのアイディアやコレボレーションが生まれています。
桑村:
学生たちの作品も同じです。共通工房がなかったら生まれなかったような卒業制作を目にしたときは、共通工房ができてよかったと改めて思いました。
卒業生からも、専攻の壁が取り払われている環境が羨ましいと言われています。

今西:
当初の想定以上に、共通工房を利用する学生は多いように感じます。
専攻を問わないからこそ気軽な気持ちで、自由な発想をもって僕たちのところに来られるのかもしれません。
ときには思いもよらないリクエストに驚くこともありますが、自分が固定観念にとらわれていることに気づかされたり、学生の希望を叶えようと試行錯誤するうちに自分の考え方や技術が向上したりと、僕自身の学びも大きいです。
University Support System
大学のバックアップ体制

今西:
桑村先生をはじめとして、大学側にはとても親切にしてもらっています。
僕たちが動けば動くほど、事務処理が煩雑になったり規程の見直しが必要になったりしていると思うんです。
そうした部分もすべて対応していただき、全面的にバックアップしてもらえているのがとてもありがたいですね。
桑村:
まだ手探りの部分もありますが、少なくとも気持ちのうえでは全面的にバックアップしているつもりです。
大学としては、若手作家である技術専門員たちのKANABI KOGEI+という新たな挑戦を学生たちに見せてあげたい気持ちもあります。
来年、再来年と彼らがどう羽ばたいていくのか。自分たちよりも少し早く社会に出て活躍している身近なロールモデルが奮闘する姿は、学生にとっても良い刺激になるはずです。
KANABI KOGEI+への想い

今西:
KANABI KOGEI+では、15人だからこそつくれるものをつくりたいと思っています。外注するのではなく、僕たち作家が互いに切磋琢磨することが重要です。
他の作家たちとコラボレーションすることで、より価値が高く、より求められるものをつくっていきたいですね。
桑村:
共通工房、そしてKANABI KOGEI+には美術工芸品から映像制作まで、ものづくりのスペシャリストがそろっています。
依頼主とコミュニケーションをとりながら世界に一つの作品をつくることができるだけでなく、共創の風景を写真や映像に残すこともできる――。
KANABI KOGEI+が美術や工芸を身近に感じてもらえるきっかけになれば嬉しいです。
プロジェクト構想時からの歩み

谷口俊平(技術専門員、以下 谷口):
TeSHへの応募を今西さんから相談されたとき、僕はちょうど博士論文の執筆をしていました。
そのときのテーマが「共創」だったんです。せっかく15人が集まっているのだから、何かやらなければもったいない。
このプロジェクトでの取り組みが将来的な僕の研究テーマになるかもしれない――。そんな想いで賛同しました。
今西:
僕たち15人は、専門分野はもちろんのこと、年齢もバックグラウンドも仕事の進め方も異なります。
専門性を活かしながらどんな関わり方ができるか、どんなことができそうか。全体ミーティングだけでなく個別に話もしながら、方向性を合わせていきました。
谷口:
「ものづくりに対するリスペクト」は15人が共通してもっているものです。何かをつくりたい人がいたら、真摯に耳を傾ける。そんなメンバーがそろっています。
僕は時間ができると、他のメンバーがどんなことをしているのか見に行くんです。メンバー間のコミュニケーションもとりやすいですし、風通しもいいですね。
今西:
物理的な距離に加えて心理的な距離の近さが、共創を後押ししているように感じます。自由な発想と柔軟な思考をもった学生たちの存在も大きいですね。
これまでにつくった作品も共通工房でなければ生まれなかった作品ばかりです。
実際の作品制作を通して

今西:
プロジェクトが始まってから半年間で複数の作品ができました。陶磁・石材・金属を融合させた作品「EVO(エヴォ)」は、新しくレストランをオープンするシェフから依頼を受けて、3人の技術専門員とシェフがコミュニケーションを重ねながら制作したのものです。現在は金沢市内のレストランに展示されています。


谷口:
プロジェクト始動後すぐに動き始めていたのが、石材加工と木材加工の技術を組み合わせた「石ギター」の制作です。
携わった2人の技術専門員の熱量の高さを感じました。
僕自身は現在、石材彫刻や染織、版画を専門とするメンバーと椅子の制作に取り組んでいます。
今西:
実際の制作を通して、既成概念にはなかった構造体のつくり方や組み合わせのおもしろさなど、新たな気づきや発見がたくさんありました。
素材ごとで加工時間に差が出ることも、融合作品を制作したからこそ分かったことです。試作品づくりに励んでいるのは、いろいろな組み合わせを試すことで作品のバリエーションを増やすため。
テストピースをたくさんつくって、できることの幅を広げていきたいです。
KANABI KOGEI+だから、できること

谷口:
専門分野を超えた横断的な共創に依頼主も深く携われるのが、KANABI KOGEI+の魅力です。
依頼主には最初のアイディア出しから参加してもらい、作家たちととことん話をしていただきます。
1対1ではなく複数の作家と深く交わりながら、想いを形にした作品づくりができる――。15人のスペシャリストがそろったKANABI KOGEI+だから、できることです。
今西:
僕たちが大事にしているのは依頼主との対話です。
KANABI KOGEI+は依頼主と共に、まだ世の中に存在しない融合作品、想像を超えるような唯一無二の作品をつくっていきます。

ARTIST
Meet the creators who bring tradition and innovation to life.

COLLECTION
Discover the works that embody the spirit of KOGEI+.
